給湯器トラブルとその対応策

給湯器トラブルとその対応策

10年以上もの長い間、同じ給湯器を使用している家庭は多いでしょう。しかしそれは、ある日突然動かなくなるリスクも伴います。給湯器のトラブルを早めにキャッチして、必要な点検やメンテナンスを行うことで、大きな問題や交換を回避することができます。この記事では、給湯器のトラブルのサインや、それに続く対応策、そして故障の原因について紹介します。

この記事の目次
1.給湯器のトラブルのサインとその対応策
2.給湯器のトラブルの原因
3.故障を予防するためのアドバイス
4.まとめ

給湯器のトラブルのサインとその対応策

お湯が出ない
お湯が出ない理由として、ガスメーターの問題、ガス栓の位置、水道の凍結、給水のフィルターやバルブの不具合、または給湯器自体の年数による劣化が考えられます。

・ガスメーターに問題がある
・ガス栓が正しく開いていない
・水道が冷気で凍ってしまっている
・給水のフィルターやバルブが詰まっている
・水道の部品に問題が発生している
・給湯器の長い使用による劣化

これらの問題には、自分で解決できるものと、専門家の協力が必要なものが混在しています。自分で解決できる問題は試みても良いですが、効果がない場合は専門家に相談することをおすすめします。

ガスメーター遮断
他のガス機器、例えばガスコンロが点火するか確認してみてください。もし点火しない場合、ガスメーターの遮断や安全装置が作動し、ガスの供給が止まり、結果としてお湯が出ないことが考えられます。冬に多くのガスを使い始めると、ガスメーターが異常なガス消費量と判断し、ガスの供給を止めることも。点滅しているガスメーターを見つけた場合、適切な手順で復旧させましょう。

経年劣化
ガス給湯器のメーカーは、安全に使用できる期間を約10年と示しています。10年以上の使用で、部品の摩耗や消耗が進行し、故障リスクが上がることが多いです。一部の部品を交換することで問題は解消されることもありますが、部品の取り扱いが終了している場合、新しい給湯器への交換が考えられます。

温度が不安定
温度が一定しない場合、混合栓の故障やガス供給の問題、給湯器の老朽化などが考えられます。
具体的な原因

・混合栓の不具合
・ガス供給の不足

混合栓は、熱いお湯の温度を水で調整する役割があります。この混合栓が正常でないと、適切な温度に調節できなくなることがあります。ガス供給の問題では、給湯器へのガス供給が不安定で、安定した温度が得られない場合があります。

水が出ない
お湯や水が一切出ない場合、給湯器やボイラーの問題だけでなく、水道蛇口のトラブルも考えられます。
給湯器やボイラーの修理は、専門の資格が必要です。適切な修理や対応のために、メーカーやガス会社、専門業者に相談することが大切です。水の供給が全くない場合、断水や水道の問題の可能性も考えられます。その際は、自治体や水道会社の情報も確認しましょう。

異音の発生
給湯器からの異音は、ファンモーターや燃焼の不具合、さらにはガスの異常流出や内部の故障のサインとなることがあります。次のような音に注意が必要です:

ゴーッ – 給湯器内部にゴミや虫が入り込んでいる可能性。
ボンッ – ガスの漏れや不完全燃焼のサイン。
ポコンポコン – 循環パイプの傾斜の問題や風呂釜の老朽化。
ピーピー – ファンモーターが動きにくくなっている徴候。
キーン – 配管内の圧力異常。無視すると配管破裂のリスク。

多くの場合、給湯器の部品が老朽化して異音を発することが主な原因です。

排気から煙が出る
給湯器の排気部分から出る黒煙は、不完全燃焼を示唆する可能性があります。ただし、白い煙は水蒸気で、エコジョーズタイプの給湯器では特にこの白煙が見られることが多いです。もし白煙が続く、または黒煙が見られる場合は、機器の不調や故障が考えられます。

変な臭いがする
給湯器周辺からの異臭は以下のような原因で発生することが考えられます:

・プロパンガスの供給不足
・不完全燃焼による臭い
・ガスの漏れ

もし給湯器からガスのような臭いがする場合、ガスの供給不足だけでなく、ガス漏れや燃焼の不具合のサインとなる場合があります。異臭を感じたら直ちにガスの元栓を閉じ、換気を行い、契約しているガス会社や給湯器の業者にすぐに連絡しましょう。

水漏れ
給湯器の水漏れは、内部の鋼管やゴム製のパッキンの老朽化が考えられます。放置すると、水道料金の増加や事故の危険性が高まります。給湯器の部品は時間の経過とともに劣化し、その結果、水漏れが発生することが多いです。特に長く使用している給湯器では、全体の交換を検討することが賢明です。

給湯不良
湯張りの際に問題が発生している場合、次の原因が考えられます

・給湯器が正常に動作していない
・他の場所での給湯による超過需要
・給湯システムの障害
・設置時の不適切な施工

また、給湯時の遅れや湯張り時の給湯が不足する場合、給湯器の点検や業者との相談が必要です。

お湯の質が悪い
給湯時に濁ったお湯が出る場合、これは多くの場合、気泡によるもので、健康に影響はありません。しかし、青みがかったお湯は、銅イオンの混入を示すことがあります。気になる場合は、専門家に相談するとよいでしょう。

追い焚きの問題
追い焚きが行われない場合、給湯器内のポンプや循環装置、フィルターの障害が考えられます。循環フィルターが湯垢や髪の毛で詰まることで、お湯の循環が悪くなることがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。問題の特定のためには専門家の意見や検査が必要です。

水の出が悪い
給湯器の能力は、出湯量を号数で表しており、異なる号数で対応する出湯量も異なります。複数の場所で同時にお湯を使うと、例えばシャワー中にキッチンで食器を洗うと、出湯量の上限を超えて水の出が悪くなります。特に、貯湯式の給湯器はお湯の供給量が多い場合には、水の出が悪くなる可能性があります。
特定の箇所だけ水の出が悪い場合、給湯器に内蔵されているストレーナーが汚れや湯垢で詰まっているかもしれません。

ストレーナーって?
ストレーナーは、液体から固体を分離するための網状のフィルターで、多くのシャワーや蛇口に組み込まれています。

上記のような問題が発生した場合、自己対処が難しい場合は、専門の業者やメーカーに依頼することをおすすめします。

給湯器のトラブルの原因

給湯器が故障する主要な要因として、使用年数に伴う経年劣化や過度な利用が挙げられます。

経年劣化に伴う給湯器のトラブル
一般的に、給湯器の推奨使用年数は約10年です。どの家電製品も継続して使用すると、部品の摩耗や劣化が進むため、最終的には故障へと繋がることがあります。

内部での短絡が原因の故障
年数が経過すると、給湯器の内部に埃や異物が蓄積し、湿度の影響で短絡が起こることがあります。特に、電子基盤の短絡は修理より交換が適切で、給湯器自体の寿命が長い場合は、全体の交換を考慮すべきです。

大雨や積雪が原因の浸水による故障
給湯器の内部に水分が侵入すると、部品や回路が破損し、故障の原因となることがある。一般的に給湯器は雨や雪から保護されていますが、激しい雨の日などに問題が起きる場合、雨や雪の浸入が考えられる。

施工不良や初期不具合のトラブル
給湯器の設置が不適切だったり、初期からの欠陥が存在することで、故障が早まったり、エラーコードが度々現れることがあります。不具合が繰り返し現れる場合は、設置した業者へ速やかに相談しましょう。

冬季の配管の凍結と故障
冬場は給湯器の配管が凍結しやすく、これが破裂の原因となることも。特に寒冷地や大雪地域では、この問題が頻発します。配管の凍結や破裂が起こった場合、給湯器の修理だけでなく、配管自体の復旧が必要です。

給湯器への過負荷とその影響
給湯器は、その能力に応じた適切な使用が必要です。常時、その能力を超えた使用は、給湯器に過大なストレスをかけ、寿命を短縮させる原因となります。家庭用を業務用として使う、あるいは少人数用を多人数で使用するような場合は、故障のリスクが増加します。

故障を予防するためのアドバイス

給湯器は日常生活に欠かせないもの。その寿命をできるだけ長く保つための方法を以下に紹介します。

寿命を伸ばすための9つの方法
・給湯器の周りは物を置かない
・給排気口の近くには物を置かず、通気を良くする
・雨や雪による水浸しを防ぐ
・定期的に給排気口を清掃する
・水抜きやフィルターの掃除を定期的に行う
・自宅の使用状況に合わせた給湯器を選ぶ
・入浴剤の使用時は注意事項をしっかり確認する
・追い焚き時には浴槽内に入浴剤を入れない
・給湯器の定期点検やメンテナンスを実施する

これらのアプローチは、現在の半導体不足の時代においても、賢い選択となります。

給湯器の寿命には上限がある
給湯器も使用年数が10年以上経過すると、部品の入手が難しくなる場合や、他の部分での不具合が出やすくなります。10年を過ぎた給湯器は、修理よりも新しいものに交換することを考慮する方が良いでしょう。

まとめ

給湯器の故障の主な原因は、経年劣化や能力を超えた使用にあります。今回、故障のサインや対処方法、長く使用するためのコツを紹介しました。給湯器が突然壊れるリスクを減らすためには、これらの情報を元に適切な管理と使用が必要です。給湯器の使用歴が長い場合は、その寿命も意識し、適切な時期に交換を検討することが経済的であり、安全にも繋がります。

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