給湯器のお湯が出ないが水は出る・・給湯器の故障?原因と状況別の対処法をご紹介いたします

給湯器のお湯が出ないが水は出る・・原因と状況別の対処法

お湯が出ないけれども水だけは出るというのは、給湯器の一般的なトラブルの一例です。
しかし、毎日の生活でお湯を使用するため、突如としてお湯が使えなくなると、これは大きな問題となります。その原因と対処法について知りたい人も多いでしょう。

給湯器からお湯が出なくなる原因は、給湯器の故障以外にもいくつかの可能性があります。
この記事を参考にして、それぞれの状況に応じた対処法を確認してみてください。

目次

1.お湯が出ないだけど水は出る
2.原因と対処法
3.給湯器は機能せず水は出る
4.まとめ

1.お湯が出ないだけど水は出る

水は流れるのに給湯器からお湯が出ないという状況は、給湯器の故障を示唆している可能性があります。
その際、給湯器のリモコンの液晶画面に‘123’のような数字が表示されていないかチェックしてみてください。

これらの数字はエラーコードで、給湯器の異常を知らせるものです。
エラーコードは故障内容によって異なるため、もし表示されている場合は、取扱説明書を参照しながらエラーコードの意味と原因を確認してみてください。https://rakuya.jp/archives/3559

2.原因と対処法

給湯器の状況によっては、エラーコードが表示されていないにも関わらず、お湯が出ないケースがあります。ここでは、エラーコードの表示がない場合の可能な原因とその対処法を提供します。

故障が原因でない可能性もあるため、気になる方は是非確認してみてください。

<全ての蛇口からお湯が出ない状況>

全ての蛇口からお湯が出ないものの水は出る場合、主に3つの原因が考えられます。

・ガス供給に関する問題
・電気システムに関する問題
・給湯器本体の問題

それぞれの原因についてさらに詳しく検討していきましょう。

<ガスメーターの遮断機能が作動している>

ガスメーターには安全装置が備わっており、地震やガス漏れ、または機器の長時間の使用などが発生した際には、この安全装置が自動的に作動するように設計されています。

これらの状況で安全装置が作動すると、ガスの元栓を手動で閉じていなくてもガス供給が自動で停止します。そのため、水しか出なくなることがあります。この際は、手動で安全装置をリセットする必要があります。

安全装置が作動しているときは、ガスメーターのランプが点滅しているため、以下の手順を参照して安全装置をリセットしてください。

<対処法>
具体的なリセット作業の手順はガスメーターの機種によって異なりますので、基本的には取扱説明書を確認してから操作してください。

基本的なリセット作業の手順は以下の通りです。https://www.tokyo-gas.co.jp/network/meter/reset/meter_ippan/index.html

1.室内及び室外にある全てのガス機器の電源を切る
2.ガスメーターのリセットボタンのカバーを取り外す
3.リセットボタンをランプが点灯するまで押し続ける
4.ランプが消えたらガス機器が使えるか確認する

もしガスの臭いを感じる場合は、ガス漏れの可能性があるため、リセットの操作をせずに直ちにガス事業者に連絡してください。

<元栓が閉じられている>
ガスの元栓が閉じられていると、給湯器からお湯が出ることはできません。
例えば、新居への引越し後や長期間の外出から戻った際に元栓を閉じたままにしてしまっていた場合、ガスの元栓が閉じられていないか確認することが重要です。

元栓が閉じられている場合には、以下の方法で問題を解決することができます。

<対処法>
ガス給湯器の近くにある配管のつまみを回すことで、ガスの元栓を開けることができます。
※元栓の位置や形状は給湯器の機種によって異なる可能性があるため、操作する前に取扱説明書を確認してください。

<プロパンガスが切れている>
プロパンガスを使用している場合、ガスの残量がなくなるとお湯が出なくなる可能性があります。
例えば、プロパンガスの交換が近づいてきてガス量が減っていると、給湯器に十分なガスが供給されず、水しか出なくなる可能性があります。

プロパンガスは通常、事前に使用量を見積もって設置されていますが、何らかの理由で使用量が増えてガスが早くなくなってしまうことも考えられます。他に原因が見当たらず、ガスの残量が減っているように感じる場合は、以下の対処法を試してみてください。

<対処法>
ガスが切れている場合は、契約しているガス会社に連絡し、ガスを交換してもらう必要があります。
連絡先はガス料金の請求書や契約書に記載されています。

ただし、プロパンガスの残量は通常、自分で確認することはできません。
そのため、残量を確認したい場合は、契約しているガス会社に問い合わせることが必要です。

<リモコンの電源がオフになっている>
キッチンや浴室に設置されているガス給湯器のリモコンの電源がオフになっていると、給湯器を起動させることができず、お湯が出なくなります。

多くの場合、ガス給湯器の電源はキッチンと浴室のリモコンで共通制御されています。電源をONにしたつもりでも、実際にはもう一方のリモコンで電源がOFFにされていた可能性もあります。

対処方法としては、リモコンの電源ボタンを確認し、必要であれば押して給湯器の電源をONにすることが必要です。

<対処法>

リモコンの電源ボタンを確認し、OFFになっている場合は、ボタンを押して給湯器を起動させます。

<ブレーカーがトリップしている>
ガス給湯器は電力を必要としており、電気の使い過ぎや漏電によりブレーカーがトリップすることがあり、その結果お湯が出なくなります。

さらに、台風や強風の際には、給湯器の安全装置が作動し、ブレーカーがトリップすることがあります。安全装置が作動した際は、給湯器の使用は避け、安全が確認できた後に以下の手順で対処することが重要です。

<対処法>
・安全装置が作動した際は、悪天候が改善するまで給湯器の使用を控えます。
・安全が確認できたら、ブレーカーをリセットして電源を再度オンにします。
・リモコンのエラーコードを確認します。
⇒エラーコードが表示されていない場合、安全装置の作動以外の原因が考えられるので、漏電の原因となった場所を確認します。
・雨水が給湯器の中に入って漏電している場合は、すぐに給湯器メーカーに連絡します。

<電源プラグが抜けている>
給湯器の電源プラグが差し込まれていない場合、給湯器本体に電源が供給されず、結果として水しか出てこなくなります。
通常、給湯器の電源プラグは給湯器の近くに設置されているので、一度確認してプラグが抜けていないかをチェックしてみてください。

電源プラグが抜けている場合は、以下の対処法を実行しましょう。

<対処法>
基本的な対応としては、電源プラグを再度差し込むだけですが、プラグを差し込む際は、手が濡れていないことを確認してください。手が濡れていると感電のリスクがありますので、必ず手やプラグが乾いている状態で操作してください。

<水抜き栓の汚れ詰まり>
給湯器からの水の流れを制御する水抜き栓に汚れが詰まると、水圧が低下し、結果としてお湯が出にくくなることがあります。
すべての蛇口からお湯が出ない場合は、水抜き栓の汚れ詰まりが原因である可能性が考えられます。

水抜き栓にはフィルターが装備されているため、詰まりが発生した場合は、下記の手順に従ってフィルターの清掃を行ってください。
なお、自身での清掃が不安であれば、無理せず専門業者に依頼しましょう。

<対処法>

・給湯器の元栓を閉め、給湯栓を開ける
・水抜き栓を取り外す ※この時、水が出る可能性があるため、受け皿を用意しておくと良いです
・取り外したフィルターを歯ブラシ等を使用してゴシゴシと洗い流す
・洗浄したフィルターと水抜き栓を元に戻す
・給水栓を閉め、元栓を開け、水抜き栓から水が漏れていないか確認する

注意点
・お湯を使った後は温度が高くなっているので、掃除を始める前に給湯器の電源を切り、熱が冷めるのを待ってください。

・水抜き栓にはパッキンが使用されているので、紛失しないように注意が必要です

<給湯配管の凍結>

低温により配管内の水が凍結すると、お湯が出なくなる事象が発生します。
特に、配管が露出している部分は外気温の影響を受けやすく、地中に埋められている部分よりも温度が低下しやすく、凍結が起きやすい状態となります。

配管の凍結は寒冷地でよく見られるトラブルですが、温暖な地域でも気候の変動により、このような問題が発生するリスクは十分に存在します。

もし給湯配管が凍結してしまった場合は、以下の対処法を参考にしてください。

<対処法>
・配管の破裂や破損を避けるため、基本的には自然解凍を待つことが推奨されます。

・お湯をすぐに使いたい場合は、凍結した配管にタオルを巻き、その上から温かい水をゆっくりとかけることで解凍を試みてください。
※配管の破損や水漏れを防ぐため、熱湯は避け、温かい水を使用してください。

<経年劣化や取り付け不備>
給湯配管の経年劣化や取り付けの不手際により、水漏れが発生すると、蛇口からお湯が出なくなる事態が想定されます。

配管に水漏れが発生しているときには、給湯器の周りが濡れている可能性もあるので、異常の有無を確認することが重要です。

しかしながら、目視で確認できないケースもあるため、他の原因が特定できない時は専門業者に依頼することが推奨されます。

対策として配管の修理を挙げることができますが、修理には専門知識が求められます。
そのため、基本的には自分での修理は困難であり、専門業者に修理依頼するのが普通です。

<対処法>

・まず、ガスと水道の元栓を閉じる
・蛇口を開けて残った水を排出する
・異常がある配管の接続ナットをゆるめる
・パッキンを取り外し、新しいものに交換する
・新しい配管を適切に取り付ける
・元栓を開けて問題が解決したか確認する

<一部の蛇口からお湯が出ない状況>
不具合の症状として、一部の蛇口からしかお湯が出ない、一方他の蛇口からは水だけが出るケースが存在します。このような場合は、給湯器だけでなく他の要因も考慮されるため、これまでに述べた原因とともに確認することが重要です。

<蛇口の故障>
「キッチンの蛇口からお湯が出ない」といったように、特定の蛇口からのみお湯が出ない状況は、蛇口の故障が原因である可能性があります。

通常、水とお湯の調節はバルブカートリッジという部品によって行われるため、この部品の故障により温度調整ができなくなり、お湯が出なくなることがあります。

バルブカートリッジの修理には基本的に部品の交換が必要であり、詳細な手順は下記の通りです。

修理の難易度は高いため、自分で行うのが難しい場合は、無理せず専門業者に依頼することをお勧めします。

<対処法>

・蛇口に適したバルブカートリッジを手に入れる
 ※メーカーの公式ウェブサイトや型番を参照して検索することが可能です。
・蛇口の止水栓を閉じる
・ネジをゆるめてレバーを外す
・蛇口本体を固定し、新しいバルブカートリッジに交換する
・元の状態に戻して問題解消を確認する。

3.給湯器は機能せず水は出る

給湯器からお湯が供給されない一方で、水は正常に流れる場合、他の原因が考えられます。
これまでに挙げた原因以外であれば、以下の可能性も考慮することをお勧めします。

<給湯器本体の故障の可能性>
これまでに紹介した原因を確認しても解決しない、または対処法が効果を示さない場合には、給湯器本体の故障が疑われます。

給湯器の通常の寿命はおおよそ10~15年とされていますが、場合によっては7~8年程度で不調の兆しを見せることもあります。
この期間を超えて使用しているのであれば、給湯器自体の寿命による問題が起きている可能性が考えられます。

給湯器の故障時に見られる兆候をいくつか挙げてみます。
これらの兆候が見られる場合には、給湯器に故障が生じている可能性があるため、確認してみてください。

・お湯の温度が不安定になっていた
・お湯が出るまでの時間が長くなっていた
・給湯器から異常音が発生していた
・給湯器から水漏れが見られた
・給湯器に錆が発生している
・異臭が感じられた

<修理を依頼する先>

もし対処法を試したが改善されなかった場合には、専門の業者に依頼するのが確実です。

もし賃貸住宅にお住まいであれば、事前に大家さんや管理者、または管理会社に連絡する必要があるかもしれません。そのため、管理規約を確認し、それに従って依頼しましょう。

修理を依頼できる業者はいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
詳細は下記の通りです。

<給湯器を製造したメーカー>
・自社製品に対する信頼感があります
・保証期間内であれば無償で修理を受けられる可能性があります
・修理費用が高額になる可能性があります

<ハウスメーカーや工務店>
・担当者を通じて依頼がしやすいです
・保証期間内であれば、低コストで修理が可能です
・実際の修理は外部業者に依頼されることが多く、手数料が発生する可能性があります

<リフォーム会社>
・過去の情報に基づき、対応を受けやすいです
・独自の保証プログラムを提供している場合があります
・新規の修理依頼が受けられない場合もあるかもしれません

<ガス会社>
・ガス機器の専門知識があり、信頼できます
・協力企業が多いため、迅速な対応が期待できます
・修理費用が高くなる可能性があります

<インターネット販売業者>
・修理費用が低い場合があります
・実績や品質の確認が難しい場合があります

4.まとめ

給湯器からお湯が出なくなった際には、慌てずにまずは不調の状態を確認し、適切な対処を試みましょう。

給湯器以外の要因も原因として考えられるので、今回紹介した情報を参考にしてエラーコードの確認や不調のサインに目を配ってください。

無理に自分で修理しようとすると状況を悪化させる可能性があるので、自分での対処が難しい場合には、専門の業者に依頼するのも良い選択です。

賃貸住宅の場合には、トラブルを避けるためにも事前に管理会社や大家さんに連絡し、適切な手続きを踏むよう心がけましょう。

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