マンション設置の給湯器交換時期のタイミングは? 費用はどのくらい?

マンション給湯器の交換時期・費用

マンションに設置されている給湯器が故障する前触れとして、頻繁にエラーコードが表示されたり、湯温が不安定になる、または異音が発生するなどのサインが考えられます。
それに対して、マンションの給湯器の修理や交換に関して、どの業者や専門家に相談するのがベストなのか、多くの方が疑問を持っています。特に賃貸や分譲マンションの場合、修理や交換の際の費用の負担先が気になることでしょう。
本記事では、給湯器の交換のタイミングや、マンションでの給湯器の取り扱いに関する費用の相場、そして取り扱い時の注意点について詳しく解説していきます。

1.給湯器の交換のサインとタイミング
2.給湯器の不調時に確認したいポイント
3.給湯器交換:手順とポイント
4.給湯器を選ぶ際の注意点と種類
5.給湯器交換にかかる費用相場
6.給湯器交換・設置のポイント
7.給湯器交換・修理に関するよくあるQ&A
8.まとめ

1.給湯器の交換のサインとタイミング

給湯器の交換適時はマンションの場所や使用されている給湯器の種類によって異なります。寒冷地では、多くのエネルギーが必要とされるため、交換のタイミングが他の地域よりも早まることがあります。

一般的に、給湯器の耐用年数は10年から15年とされています。しかし、頻繁にお湯を使用する場合、その寿命が短くなることも。一部のメーカーは8年から10年の使用を基準に交換を勧めているが、10年以上使用している場合、給湯器の見直しを検討するのが良いでしょう。

早めの点検や修理が必要なサインとして、以下のような症状が挙げられます。

・温度が不安定
・お湯が出るまでの時間が長い
・異常な音がする
・水漏れが発生
・お湯が全く出ない
・パネルにエラーコードが表示

温度が安定しない場合、配管の劣化や給湯器の混合栓の故障が考えられます。混合栓は、給湯器の水とお湯のバランスをとる役割があり、その故障により温度が安定しなくなることがある。

お湯が出るのに時間がかかる場合、設定温度が低いか、外気温や給湯器自体の問題が考えられます。

異音がする場合、給湯器内の不具合や排水口の汚れが考えられます。特に、異常な大きな音や笛のような音がする場合は、早急に対処が必要です。

水漏れは非常に危険です。放置すると、給湯器の内部で不完全燃焼を引き起こし、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。また、マンションの階下や隣室への被害も考えられます。

給湯器の近くで水漏れを発見した場合、すぐに給湯器を停止し、水元栓を閉めてください。その後、管理組合や給湯器の専門業者に連絡しましょう。

最後に、お湯が出ない場合、水道やガス、給湯器本体の問題が考えられます。先ずは、水道やガスの供給状況を確認し、それでも問題が解決しない場合、給湯器の点検や交換を検討することが推奨されます。

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2.給湯器の不調時に確認したいポイント

マンションの給湯器が正常に動作しない場合、以下の点を事前にチェックしてみましょう。

1.ガス栓と元栓の確認:
ガス栓や元栓がしっかり開いているか確認してください。もし閉じている場合、お湯が沸かせなくなります。また、ガスの匂いや漏れを感じる場合はすぐにガス会社に連絡しましょう。

2.電源のチェック:
給湯器の電源プラグがしっかり接続されているかを見てください。リモコンや操作パネルが反応しているかも確認が必要です。

3.冷気による影響:
寒い季節は、配管の水が凍る可能性があります。凍結により配管が破裂するリスクも考えられます。特に外気温が0℃以下の場合、給湯器の配管が凍結する可能性が高まります。凍結を感じる場合、自然に解けるのを待つか、ぬるま湯で温めてみましょう。ただし、何らかのトラブルを感じる場合は専門家に相談するのがベストです。

4.停電後の対処:
落雷や何らかの理由で停電した後、給湯器が作動しない場合があります。停電後は電源プラグを再度接続し、正常に動作するかを確認してください。

5.給排気部や浴槽のフィルターの清掃:
給排気部にゴミやホコリが詰まると、給湯器の動作に影響が出ることがあります。また、浴槽の循環フィルターが詰まると、お湯の温度が十分に上がらないことも。これらの部分の清掃や点検を定期的に行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

問題の原因が分からない場合や、特定の不具合が疑われる場合は、専門の業者に相談することをおすすめします。安全第一で、無理な自己対応は避けてください。

3.給湯器交換:手順とポイント

マンション内の給湯器は、共有エリアや廊下に設置されていることも珍しくありません。各マンションには給湯器のタイプやサイズに関する制限が存在するため、交換を考える前にはいくつかの事項を確認することが重要です。

・賃貸か、自己所有かによる手続きの違い。
・交換給湯器の選定。
・必要に応じての管理会社への相談。

賃貸マンションの住民であれば、給湯器の問題が発生した場合、先ずは管理会社に問い合わせを行います。管理会社はその後、所有者に連絡をとる手続きを行います。給湯器の修理や交換費用は、通常、所有者が負担します。しかし、住民の過失が原因での故障の場合、修理費用の負担について話し合いが必要となることも考えられます。

一方、自己所有のマンションでは、給湯器の交換や修理は所有者自身の判断となります。その際、最もコストパフォーマンスが良い業者を選ぶのがおすすめです。

給湯器の交換を考慮する際、既存の給湯器と同じタイプのものを選ぶのが最もスムーズな選択となるでしょう。しかし、新しい機能を追加したい場合や、異なるタイプの給湯器を希望する場合には、追加の工事や設備の変更が必要となる場合も考えられます。

給湯器の型番や製造メーカーは、通常、給湯器の前または裏に記載されています。これを参照することで、交換時の適切な給湯器の選定や、故障原因の特定がスピーディに行えます。

給湯器はさまざまな機能やサイズが存在します。例えば、追い焚き機能があるもの、床暖房や浴室暖房をサポートするものなどが考えられます。また、給湯器の容量やサイズも留意する点です。

もし給湯器が共有エリアに設置されている場合や、特定の手続きが必要なマンションであれば、交換に先立って管理会社との相談が不可欠です。

給湯器の交換作業は、通常、半日から1日程度を要します。しかし、特定の給湯器の在庫がない場合や、追加工事が必要となる場合は、その期間が延びることも想定されます。

4.給湯器を選ぶ際の注意点と種類

給湯器を選ぶとき、マンションの条件に合致するかを前もってチェックすることが重要です。不適切な給湯器を選ぶと、設置までの時間が延びたり、設置が不可能になる場面も考えられます。

給湯器の種類:

給湯器はその機能により、大きく以下のように分類されます:

・給湯のみ、追い焚きなし。
・給湯と追い焚き、手動で足し湯が可能。
・給湯、追い焚きと配管の自動洗浄機能付き。
・給湯、追い焚き、床暖房や浴室暖房を含む多機能型。

給湯能力:

給湯器の能力は、一分間に供給できる水温上昇量で示されます。例:20L/分の場合は20号と呼ばれます。適切な号数は、家族の人数や生活スタイルによります。

・単身者:16号で十分。
・2人家族:20号を推奨。
・3~4人家族:24号。
・4~5人家族:24号~28号。

設置タイプ:

マンションの給湯器設置タイプには以下のようなものがあります:

・PS標準型: 一般的に見える位置に取り付けられる。
・PS扉内上方排気型: 内部設置で、上方へ排気。
・PS扉内前方排気型: 内部設置で、前方へ排気。
・PS扉内後方排気型: 内部設置で、後方へ排気。
・PSアルコープ型: アルコーブ(入りくんだスペース)に設置。
・ベランダ壁掛型: ベランダに設置されるタイプ。

PSはパイプシャフトの略で、給湯器などの設置スペースを示しています。

給湯器の選び方は、現在の使用状態や必要機能、家族の人数に合わせて検討することが必要です。適切な給湯器を選ぶことで、快適な生活をサポートします。

5.給湯器交換にかかる費用相場

給湯器の取り替えを考える際、マンションの場合は独自の要因が考慮される必要があります。給湯器の本体価格の他、取り付けや配管接続、既存の撤去などの工事費が加算されます。

給湯器の市場価格

マンション向けに普及している追い焚き機能を持ったエコジョーズの給湯器の価格帯は、以下のようになっています:

・16号(オート):約33~38万円
・16号(フルオート):約37~42万円
・20号(オート):約35~40万円
・20号(フルオート):約40~45万円
・24号(オート):約38~43万円
・24号(フルオート):約42~47万円

工事費の概算

設置工事は、5万円前後を見込むことが一般的です。しかし、特定の部分の修理や交換が必要な場合、それに伴う追加の費用が生じる場合もあります。

工事の詳細な内訳は以下の通りです:

1.給湯器取り付け:約10,000~15,000円
2.配管接続:約8,000円
3.保温作業:約2,000~3,000円
4.ドレン配管:約4,000~5,000円
5.ガス管接続:約10,000円
6.処分費:約5,000円

特定の条件や追加の要求によって、以下のような追加費用が発生することも:

・壁掛けへの変更:約7,000~10,000円
・高所設置:約10,000~30,000円
・PS部品取り付け:約3,000~5,000円
・排気部品追加:約3,000~8,000円
・浴槽穴変更:約8,000~20,000円

給湯器の一部の修理や点検には、約8,500円がかかります。しかし、新しい機能の追加や高性能機器への変更を希望する場合、20,000円の追加費用が発生することも。

節約のポイント

中古の給湯器を検討する際は注意が必要です。予算を節約したい場合、複数の業者から見積もりを取得し、それを比較することをおすすめします。

交換のタイミング

給湯器の平均寿命は約10年です。導入時期が不明な場合、管理組合や管理会社に確認すると良いでしょう。

修理と交換

給湯器に問題が生じた場合、すぐに交換する必要は必ずしもありません。専門家の意見や診断を基に適切な対応を選びましょう。

業者選びのポイント

低価格の見積もりだけで業者を選ぶのはリスクがあります。給湯器の性能や、業者の実績やサービスを総合的に判断することが重要です。

 

6.給湯器交換・設置のポイント

マンションの給湯器取り替えや新設に際しては、共有部分やインフラに関連した工事が含まれることもあり、一般的な戸建て住宅とは異なる考慮点が生じます。

・共有部分への設置可否
・給湯器の外観・デザイン選び
・保証期間の確認
・管理者による修理の取り決め
・給湯器関連の訪問販売への警戒

<共有部分への設置可否>
給湯器のサイズや形状、機能に応じて、共有部分に取り付けることが難しい場合があるので注意が必要です。特に、大型の据え置き型給湯器はマンションの共有部分に設置するのが難しい場合が多いです。

<給湯器の外観・デザイン選び>
給湯器の色やデザインは、マンションの設置基準に合致するものを選ぶ必要があります。設置前に、マンションの管理組合や管理会社、またはオーナーに対応する給湯器のタイプや性能を確認しましょう。

<保証期間の確認>
給湯器には保証期間が設けられており、この期間内であれば修理や交換が無償で行われることがあります。賃貸の場合、定期的な給湯器の点検や更新が行われることもあるため、設置時期や保証詳細は契約書をチェックしてください。不明点がある場合、管理組合や管理会社に問い合わせて確認しましょう。

<管理者による修理の取り決め>
賃貸物件において、給湯器はオーナーの責任範囲内にあります。したがって、給湯器の故障や不具合が生じた際には、オーナーや管理組合、管理会社に直ちに報告しましょう。経年劣化などの自然な要因での故障は、管理側の負担で対応されることが一般的です。

<給湯器関連の訪問販売への警戒>
近年、マンション住民を狙った給湯器の訪問販売が増加しています。しかし、即決での契約は避け、必ず複数の業者から見積もりを取るなどして信頼性を確かめるよう心がけましょう。訪問販売業者が提供する給湯器がマンションの基準に適合しているかどうかも事前確認が必要です。

7.給湯器交換・修理に関するよくあるQ&A

1.夜中に給湯器が壊れた場合の対応は?
2.賃貸マンションでの給湯器の交換は誰が行うべき?
3.分譲マンションでの給湯器交換に必要な書類は?
4.どのようにして適切な業者を選べば良い?

<夜中に給湯器が壊れた場合の対応は?>
もし夜中に給湯器の不具合を感じた場合、直ちに24時間対応の業者に電話する前にいくつかの点を確認しましょう。特に賃貸マンションでは、給湯器の管理は大家や管理会社が行っていますので、自らの判断で修理を依頼することは避けるべきです。
さらに、分譲マンションでも給湯器の交換には制限や手続きが求められることが多いので注意が必要です。夜間の確認が難しい場合、一時的に給湯器の電源を切り、水やガスの元栓を閉じ、翌日の対応を待つことをおすすめします。

<賃貸マンションでの給湯器の交換は誰が行うべき?>
賃貸マンションにおいて、給湯器の交換や修理は大半の場合、大家や管理会社が行います。ただし、借主の不注意や故意による破損の場合、修理費用の一部を請求されることがあります。

<分譲マンションでの給湯器交換に必要な書類は?>
分譲マンションにおいては、給湯器の交換や工事にあたっては管理組合や管理会社への申請が必要な場合が多いです。具体的な必要書類は、各マンションの管理規約や専有部分修繕の取り決めによりますので、前もって確認しておくとスムーズです。

<どのようにして適切な業者を選べば良い?>
給湯器の修理や交換を行う業者の選び方は、いくつかの選択肢があります。大手のガス会社や給湯器メーカー、家電量販店、ネット上の専門業者など、それぞれの業者にはメリット・デメリットがあります。
ガス会社やメーカーは信頼性が高い反面、費用が高くなることも。量販店やネットの専門業者は価格競争が激しく、比較的安価に施工が可能ですが、サービスの質や保証内容をしっかりと確認することが大切です。
複数の業者から見積もりを取ることで、適切な業者を見つけることが可能です。

8.まとめ

マンションの給湯器の交換を考える際、一般的には10年の耐久年数を基準にするとよいでしょう。ただし、使用頻度や環境条件によって給湯器の寿命が短くなることもありますので注意が必要です。
万が一、給湯器の動作に違和感を感じたり、お湯の温度が不安定になった場合、早めの点検やメンテナンスを検討すると良いでしょう。

給湯器の設置や交換に関しては、ガス会社や給湯器メーカーではなく、給湯器に特化した業者を選ぶことで、コストを抑えることができることが多いです。専門家としての技術や経験を持つ給湯器業者を選ぶことは、安全かつ経済的な選択となります。

 

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