給湯器の法定点検・定期点検の必要性やその手続き、費用などをを詳しく解説

給湯器の法定点検・定期点検を解説

給湯器は我々の日常生活に欠かせない機器の一つですが、その安全性や持続性を保つためには、定期的な点検が不可欠です。給湯器には、メーカー推奨の定期点検と、法定に基づく長期使用製品安全点検が存在します。特にエラーコードが表示されたり、通常の動作をしていない場合は、速やかに専門家に診断してもらうことが推奨されます。今回は、給湯器の点検の必要性やその手続き、費用などを詳しく説明していきます。

目次

1.給湯器の主な2つの点検について
2.なぜ定期点検や法定点検が求められるのか?
3.法定に基づく給湯器点検の手順と流れ
4.給湯器の定期点検(あんしん点検)の流れ
5.自分でできる給湯器のセルフ点検方法
6.いつ給湯器を修理より交換を選ぶべきか?
7.まとめ

1.給湯器の主な2つの点検について

・法定点検
・定期点検(あんしん点検)

法定点検

・長期使用製品安全管理制度に基づく点検
法的義務による点検、すなわち「長期使用製品安全管理制度」の下で行われる点検とは何かというと、家庭での使用を前提とする家電製品の安全確保を目的とした制度です。この制度の対象となっているのは、給湯器や湯沸かし器などの特定の製品群です。
もともと、石油温風暖房機や電気浴室乾燥機といった5製品が対象でしたが、2008年の改正により除外され、2023年1月の時点では、先述の2製品が主な対象となっています。

・製品所有者と製造者の責務
製品の所有者としての重要な役割は、安全を確保するための点検を受けることです。
一方、製造者には、点検が必要なタイミングを特定し、その時期を製品の所有者に伝える責務があります。

・法定点検の料金
費用はメーカーにより異なる場合がありますが、平均的には「1万円程度」が必要となります。点検結果により、追加の修理や交換が求められる場合、それに伴う費用も発生します。

定期点検(あんしん点検)

定期点検は、給湯器製造会社が提供する有料の点検サービスです。この点検は製品の使用年数に関係なく受けることができ、常に給湯器の健康状態をチェックすることができます。
法定点検は「石油給湯器」に限定されていますが、定期点検は「ガス給湯器」も含めて受けることが可能です。そのため、対象外の給湯器でもこの点検を定期的に受けることで、安全に使用を続けることができます。
長い間、同じ給湯器を使用すると、トラブルが生じるリスクが上がる可能性があります。そのため、製造者が提供する点検サービスを定期的に利用し、早期の問題発見と対応を心がけることが肝心です。

・あんしん点検はメーカー独自の点検制度
主要給湯器メーカーであるノーリツとリンナイは、それぞれ独自の「あんしん点検」を展開しています。このサービスは、法的な義務を基盤としており、長期間の使用に伴う潜在的な問題や事故を予防することを主な目的としています。
この点検は日本ガス石油機器工業会(JGAAP)のガイドラインに基づいて行われ、それぞれのメーカーが有料で提供します。
点検の適切な時期が近づくと、各メーカーからお知らせが送られてきます。

https://www.noritz.co.jp/info/houtei/anshin/

https://www.rinnai.co.jp/safety/system/info/other/

・定期点検(あんしん点検)の料金
具体的な料金はメーカーやサービス業者によって微妙に違うことがありますが、概ね「1万円程度」の点検費用が見込まれます。安心点検サービスを受けた結果、給湯器の修理や交換が求められる場合、それに伴う追加の費用が発生することがあります。

2.なぜ点検が求められるのか?

・事故リスクを低減する
・法定点検は製品所有者、製造者、販売者の共同の義務

<事故リスクを低減する>
給湯器や湯沸かし器の法定点検は、潜在的な事故のリスクを低減するための制度です。
給湯器は時間の経過とともに劣化し、ガスの漏れや一酸化炭素の発生といった危険な状況を引き起こすことが考えられます。
このような危険を事前に回避するため、給湯器が一定の期間使用された際には点検が必要とされ、異常や劣化の有無がチェックされます。

<製品所有者、製造者、販売者の共同の義務>
長期使用製品安全点検制度においては、使用者(製品の所有者)、製造者、販売者それぞれに、製品の安全確認とメンテナンスの責任が課せられています。
法定点検のタイミングは、製造から約9~11年ごととされています。これは、給湯器が安全に使用できるとされる目安が約10年であり、この時期に最も経年劣化による問題が発生するリスクが高まるためです。

<法定点検制度の実施義務とその範囲>
経済産業省の方針に従い、法定点検制度は「義務」ではなく「責務」として位置付けられています。従って、特定の罰則は存在しない。
法定点検は制度としての基準に基づいて行われますが、点検の際の費用は、製品の所有者が負担する必要があります。この料金は、点検を行うメーカーや業者によって変動します。
点検を受けないまま給湯器を利用すると、重要な問題を見逃すリスクが高まります。安全かつ安心な使用のためにも、法定点検の受けることを強く推奨します。

3.法定に基づく給湯器点検の手順と流れ

石油給湯器の法定点検は、一体どのように行われるのか。本章では、石油給湯器の購入から法定点検までの流れを解説します。

1.販売店での製品説明
2.給湯器の所有者登録を行う
3.点検の時期に関する通知の受け取り
4.点検手続きの申込
5.法定点検のプロセス
6.検査の後の対応

<販売店での製品説明>
石油給湯器を購入の際、販売店は消費者に「設計標準使用期間」や「法定点検の必要性」について明確に説明します。
これは消費者保護安全法に基づき、特定のメンテナンス製品を販売する際の義務となっているからです。
安全に利用できる期間、設計期間が終盤に差し掛かる際の注意点、異常を感じた際の対応方法など、多岐にわたる内容が伝えられます。

<給湯器の所有者登録を行う>
石油給湯器を手に入れた後、消費者は「製品の所有者」として、自身の基本情報をメーカーに報告します。製品には、このための登録カードが同梱されており、該当の情報を記載し、郵送します。
また、店舗で即座に情報を提供し、スタッフに登録カードを手渡すことも許容されています。オンライン手続きを希望する場合、メーカーの公式サイトで必要事項を入力することも可能です。

<点検の時期に関する通知の受け取り>
法定点検の期限が近づくと、メーカーより点検のお知らせが通知カードや電子メールの形で送付されます。石油給湯器の標準的な使用期間は10年を想定しているため、購入から相応の年数が経過しているはずです。
登録したことを忘れている方もいるかと思いますが、通知を受け取ったら、法定点検の実施を考慮しましょう。
また、一部の最新型給湯器には、点検の時期を自動的に知らせる機能が付いており、リモコンやディスプレイに通知メッセージが現れることもあります。

<点検手続きの申込>
受け取った通知書の内容に従って、ハガキやウェブサイト、または電話を使って法定点検の手配をしましょう。法定点検を受ける際は、給湯器の所有者が立ち会う必要がありますので、日程の調整を怠らないようにしましょう。
給湯器の点検を依頼するときは、機器のモデル名やシリアル番号を確認してください。これらの情報は、給湯器に貼り付けられているラベルに明記されています。

<法定点検のプロセス>
指定の日には、メーカーもしくは提携先の専門家がお宅に訪問し、機器の点検を行います。この作業は、認定された検査員資格を持つプロフェッショナルによって行われます。
検査内容には、法令で規定された項目の他、メーカー独自のチェックポイントも含まれ、合計で約30の項目が検査されます。
点検の終了後、担当者から結果報告があり、「合格」または「不合格」の判定と、今後の使用に関する「証明書」が提供されます。通常、この検査作業は1時間程度で完了します。

<検査の後の対応>
点検の結果、何らかの異常が発見された場合、給湯器の修理や交換が必要になることがあります。具体的な修理や交換に関する質問や不明点があれば、その場で検査員に相談することで迅速に対応が可能です。

4.定期点検(あんしん点検)の流れ

給湯器のメーカーは、定期的な点検(あんしん点検)を推奨しています。これは、メーカーによるいわゆる自主点検です。
本章では、給湯器の定期点検(あんしん点検)の流れについて解説します。

1.安全確認の点検を手配する
2.メーカーとの点検日の手配
3.定期点検(あんしん点検)の実施
4.定期点検(あんしん点検)の結果

<安全確認の点検を手配する>
あんしん点検は、法的な必須ではないものの、長い期間使用してきた給湯器の安全を保証するために行われるものです。法的な基準に則った方法で、屋外用ガス給湯器やガス専用給湯器(室内機・室外機)などが点検の対象となります。
既に所有者として登録している方は、点検の通知に同梱されている応答ハガキや、直接電話を使って手続きが可能です。多くの場合、電話でのオーナー登録も行えます。

<メーカーとの点検日の手配>
点検日は、メーカーとの協議により決定されます。給湯器各社では、この安全点検のための料金を設定しており、そのコストは概ね1万円程度であることが多いです。

<あんしん点検の実施>
あんしん点検の日には、メーカーから派遣された資格を持つ技術者が点検を実施に伺います。この作業には約1時間の時間を見込んでください。また、点検の際に機器の修理や交換に関する不明点がある場合は、前もって技術者に確認しておくと良いでしょう。

<あんしん点検の結果>
もし点検の結果、給湯器に不具合や問題点が見つかった場合、修理や機器の交換を検討する必要があります。問題の内容や将来的なリスクを考慮し、最適な対応策を選択しましょう。

・あんしん点検の適切なタイミング
あんしん点検の推奨タイミングは厳密には設けられていないものの、製造から10年が経過する時期を基準として行うのが一般的です。10年間の使用で、部品の劣化や摩耗が進行することが考えられるため、この時期までにはメーカーの点検サービスを利用して、早めのメンテナンスや部品交換を検討すると安心です。

5.自分でできる給湯器のセルフ点検方法

給湯器の健康状態を自分自身で定期的に確認することも大切です。こうしたセルフ点検を行うことで、早期に小さな異常を発見し、大きな問題や事故を予防することができます。
視覚や聴覚を利用して、給湯器の異常を感知するのが基本的な方法となります。何か異常を感じた場合は、迅速に専門家への対応を求めるのが賢明です。
以下に、継続的にチェックしておきたい主要な確認ポイントを挙げます。もし、問題点や疑念を抱えた場合は、専門の技術者による診断を推奨します。

<給湯器の主要なチェックポイント>
・吹き出し口や給湯器の入出口に、埃や不純物、ススなどの付着を確認
・稼働時の不自然な振動や「ピーピー」「キーキー」といった異常音の有無
・給湯器からの水や油の漏れをチェック
・ガスの漏れや異臭を感知するか確認
・焦げたような臭いや異常な煙の発生を確かめる
・給湯器周辺に火をつけやすい物品の配置を注意
・温度設定が適切で、出てくるお湯の温度が正常であるか

さらに、給湯器の外観に錆が発生していないかも点検することが必要です。表面に錆が見られる場合、内部も同様に錆が生じている可能性が高く、故障のリスクが増大します。

<問題発見時の自身での対処法>
給湯器の修理は専門知識が必要であり、自ら手を加えるべきではありません。給湯器は複雑な構造を持ち、電気やガス、水と連携して動作しています。専門家でなければ、修理やメンテナンスは難しく、危険も伴います。特に、電気に関連する部分の修理は、電気工事士の資格が必要とされる場合が多く、資格なしでの作業は法的にも問題となる可能性があります。

<給湯器のメンテナンスには専門的な知識が求められる>
給湯器の不具合を無資格で修理しようとすると、さらなる故障や火事などのリスクを引き起こす恐れがあるため、適切な資格や経験を持ったプロフェッショナルに依頼することが重要です。給湯器関連のサービスを提供する業者を選ぶ際は、その業者が持つ資格や経験をしっかり確認することが求められます。無資格者による修理のリスクを防ぐための警戒心は絶対に必要です。

6.いつ給湯器を修理より交換を選ぶべきか?

給湯器の状態や寿命によりますが、修理よりも交換を推奨する場面が考えられます
・修理よりも交換が経済的な場合
・交換の方が経済的な理由

<修理よりも交換が経済的な場合>
一般に、給湯器の寿命は約10年とされています。不具合が生じた場合、修理によっては完全に回復しないこともあり、他の部品の劣化が進んでいることを示唆することもあるため、再度の故障のリスクが高まります。特に、給湯器が生産終了のモデルである場合、部品の調達に時間と費用がかかることが多く、この場合、新しいモデルへの交換が効率的であると判断されることがよくあります。

<交換の方が経済的な理由>

給湯器のモデルが古い、または製造が停止している場合、部品の取得が困難で、その結果、修理のコストが予想以上に高くなることがあります。このような状況では、新しい給湯器に交換する方がコストパフォーマンスが高いことが多いです。ただし、給湯器がまだ保証期間内である場合、修理は無料または安価で行われることが多いため、先に保証内容を確認することが重要です。

7.まとめ

給湯器のメンテナンスには、法的に定められた点検と、メーカーやサービス業者が提供する定期点検の2つが存在します。給湯器の問題を早期に発見するための点検の結果、修理や交換が必要と判断された場合、給湯器の使用年数や現状を鑑みて、最も効果的な対応を選択することが求められます。多くの場合、安全性や長期的なコスト削減を考慮して、新しい給湯器への交換が推奨されます。
想定外の故障やトラブルを防ぐためにも、定期的な点検を欠かさず受けることが重要です。

関連記事