給湯器から「カタカタ」音が聞こえる・・・

給湯器から「カタカタ」音が聞こえる・・・

給湯器から奇妙な「カタカタ」という音が聞こえる時、心配になりますよね。ただ、必ずしも給湯器の故障が原因ではありません。

給湯器の不具合時の音の特徴

「ボンッ」
給湯器から「ボンッ」という音がする場合、それは点火が急激に起こる時の音かもしれません。「ボンッ」という音は、不完全燃焼が原因である可能性があります。その際、給湯器からガスの臭いがしないか、リモコンにエラーコードの点灯がないか確認することが大事です。エラーコードが表示されていれば、詳しい情報は取扱説明書やメーカーのサイトで確認できます。少しの音であっても、異常な大きさの音を感じた場合は、給湯器の故障の兆しと見なすべきです。

■原因
主な原因として、給湯器のガス供給部品の劣化によるガスの漏れや点火の不具合が考えられます。

「ピーッ」
給湯器が「ピーッ」という高音を発する場合、それは多くの場合、ファンモーターに関連する問題を示唆しています。
時折、バーナーが過剰に空気を供給された状態で「ピーッ」という音が出ることもあるのですが、この音が頻繁になったり、持続的になる場合は、機器の不具合や故障のサインと捉えるべきです。このような状況が進行すると、音は徐々に大きくなることが一般的です。もし異音が継続するなら、リモコンのディスプレイにエラーコードが表示されることが考えられるので、チェックが必要です。詳しいエラーコードの情報は、給湯器のマニュアルやメーカーの公式サイトで確認できます。

■原因
ファンモーターの老朽化により、過剰な空気が供給されるなどの問題が考えられます。

「ゴーッ」
「ゴーッ」という音が給湯器から聞こえた場合、それは給排気の問題のサインです。給排気の不具合は、給湯器の性能を低下させ、最悪の場合、不完全燃焼をもたらす可能性があります。リモコンにエラー表示が出ている場合、給湯器の取扱説明書やメーカーのサイトで詳しい情報を調べると良いでしょう。

■原因
排気口にゴミや異物が入ること、特に強風時などにより給排気の流れが乱れることが考えられます。

「キーン」
「キーン」という音は、急に蛇口を閉じた後、配管から響いてくる金属的な共鳴音です。この音は「ウォーターハンマー現象」とも称され、給湯器のセンサーや配管にダメージを与える恐れがあります。

■原因
配管内の水の流れが急に変わることで生じる圧力の変動が主な原因です。

「ポコンポコン」
「ポコンポコン」という音は、特に浴槽を温める時に出る音です。これは、浴槽の循環が適切に行われていない、あるいは入浴剤を使用している家庭でよく発生する現象です。

■原因
風呂釜の循環パイプの曲がり角や、熱交換器内の異物が主な原因として考えられます。

「カタカタ」
給湯器から「カタカタ」という音がする場合、それは金属が何かに接触しているような音に聞こえるものです。この音の原因を特定するのは難しいことがありますが、給湯器の年数や設置状況を確認してみると良いでしょう。

■原因
ファンモーターが異常に回転したり、給湯器内部に異物が入り込むことなどが考えられます。

通常の音や他の原因による音の特徴

「ボッ」
「ボッ」という音が給湯器から聞こえると、それは給湯栓を開けた際に給湯器が着火する音として認識されます。

「ブーン」
「ブーン」という音は、給湯器のファンモーターの動作音として知られています。ファンモーターは給湯器の動作中と動作終了後のしばらくの間に回転し、やがて停止します。

「ピヨピヨ」
給湯器が「ピヨピヨ」と鳴る場合、それは給湯器の微細な動作音で、電源が入っている際に注意深く耳を傾けると確認できることがあります。

「グワン」「ウーン」
「グワン」や「ウーン」という音は、給湯器内の循環ポンプや凍結防止用のヒーターが作動する際に特有の音として発生します。

「クックックー」
「クックックー」という音は、給湯栓(蛇口)を操作した後の給湯器の再稼働や、温度を安定させるためにファンモーターが回転する際の音です。

「ジュージュー」
給湯器が「ジュージュー」と鳴る時、それはガス燃焼によって生じた水蒸気が給湯器内部で冷えて結露し、その結露水が高温部位に触れて発生する音です。

正常な音「カタカタ」
「カタカタ」という音は、時として給湯器やその周囲から正常な動作中にも発生することがあります。

給湯器から「カタカタ」という音が正常時にも発生する原因として、以下の事例が考えられます

①給湯器の外部カバーが、給湯器の稼働中に振動して「カタカタ」という音を出している。
②給湯器を壁面に取り付けているネジの緩みにより、給湯器本体が振動し「カタカタ」という音が発生している。
③エアコンの外部機の動作音が「カタカタ」として聞こえる場合がある。
④壁に寄せかけられているはしごなどが、壁の振動によって「カタカタ」と音を立てている。

これらの原因以外にも様々な要因が考えられますので、特定の原因を突き止めるには現地の状況を確認することが最も確実です。

賃貸マンションの「カタカタ」対策

隣接する部屋の給湯器の音が聞こえていないか確認する
マンションの中で「カタカタ」という音が響いてくる場合、必ずしも自分の部屋の給湯器が原因とは限りません。場合によっては、共鳴や他の音の影響であることも。始めに、自身の部屋の給湯器から異音が出ているかどうか、そして給湯器の周りで異音がないかを確認しましょう。多くのマンションでは、給湯器は玄関近くのパイプスペースに配置されています。隣の部屋の給湯器も同じ場所に配置されていることが多く、隣の給湯器の音の影響を受けることが考えられます。自分の給湯器を動かしてみて、音がする場合、経年劣化や部品の問題が考えられます。給湯器の部品は使用頻度や経過年数により劣化しますが、劣化の程度はご家庭によって異なります。

管理組合や管理会社への問い合わせ

賃貸のマンションに住んでいる場合、給湯器のトラブルについてはまずは管理組合や管理会社に連絡を取りましょう。賃貸物件における給湯器の維持・管理は、大抵の場合、物件のオーナーや管理会社の責任となります。ただし、トラブルが入居者の取り扱いの誤りや意図的なダメージによるものだった場合、修理費用の負担が入居者に求められることも考えられます。

持ち家におけるトラブル、対処の方法

持ち家での給湯器トラブル時、点検、修理、あるいは交換を考慮する際の対応業者は、
①給湯器の製造メーカー
②お住まい地域のガス供給会社
③給湯器取扱の専門業者
以上の3つから選ぶことで迅速に解決できます。

ケース1
:給湯器の異音や故障が心配、点検や修理を希望
推奨する対応先:製造メーカー

異常音や不具合が気になり、専門家の点検を希望する、または製品保証期間中であれば、直接給湯器の製造メーカーへの問い合わせが最適です。

ケース2
:給湯器の老朽化が気になり、修理と交換の比較を検討
推奨する対応先:ガス供給会社

古くなった給湯器の点検を受け、修理か交換かの判断をしたい場合、全体的なサービスや提案を求めるならば、ガス供給会社への連絡が適しています。

ケース3
:給湯器の交換を最初から計画
推奨する対応先:給湯器専門業者

既に交換の意向が固まっていて、異常音などのトラブルが発生した場合や、修理よりも交換の方が経済的と判断した際、専門的な視点や提案を求めるのであれば、給湯器専門業者に依頼するのが最善策です。

異音に関する『修理/交換・費用』の考慮

給湯器からの不審な音の原因を特定する際、感じる音は人それぞれで異なることがあり、その表現も一様ではありません。たとえば、ある人が「ピーン」と感じた音も、他の人には「ピッピッ」と聞こえることがあります。このような音の認識の違いは一般的です。

しかし、異音の具体的な記述よりも、業者に伝える際に重要なのは、異音が起こる「状況やタイミング」、「音が最も強く聞こえる位置」、そして「給湯器や周囲の具体的な状態」の3つです。これらの詳細を伝えることで、業者はより迅速に故障の原因を特定し、適切な対応を提案することが可能となります。

■異音が起こる具体的なタイミング
・お湯を出し始めた時点
・浴槽にお湯を溜めている最中
・給湯器が動作を停止した直後
・給湯している際、一時的に短時間(約2~3秒)だけ音が鳴る

■音を感じる具体的な位置
・給湯器の背面
・給湯器の内部
・室内のある箇所
・お風呂内及びその周囲
・給湯器からかなり離れた部屋の中

■給湯器及びその周辺の観察点
・給湯器に変形や歪みが見られる
・ガスの臭いや焦げたような臭いが漂っている
・給湯器本体から振動が伝わってくる
・金属が何かに触れる際の定期的な音が存在する

以上のポイントを参考にして、異音の情報を業者に伝えると、適切な対応が受けられるでしょう。

修理か、交換かの選択

給湯器の異音の原因が明らかになったら、次は修理するか、それとも新しいものに交換するかを判断する必要があります。この選択をする際の基準として、給湯器の使用年数は非常に参考になります。

修理を考慮する基準
修理することで、給湯器は再び正常に機能します。しかし、給湯器の寿命によっては、他の部分が古くなり、再故障のリスクが考えられます。そこで、「使用年数」と「保証期間」を重視して判断しましょう。

①6年以下の使用期間の給湯器
通常、給湯器は10年以上は問題なく動作することが期待されます。そのため、使用6年以下で故障が発生した場合、修理を選ぶのが一般的です。ただ、修理費用が非常に高い場合、新品の給湯器の購入を検討するのも一つの方法です。

②7年~10年の間で保証期間内の給湯器
保証期間中であれば、無償での修理が可能な場合もあり、修理を選択するのが良いでしょう。しかし、10年近く使用している給湯器は、部品の供給が難しくなる場合も考えられます。この場合、新しい給湯器への交換を検討すると良いです。

交換を検討する基準
「使用年数」と「費用」から交換を判断します。

①交換が経済的
もし、新しい給湯器の購入費用が修理費用よりも手頃、またはあまり高くない場合、再故障のリスクを考慮して、新しいものに交換することを推奨します。

②給湯器の使用が7年~10年を超えている
7年以上の使用で故障が発生した場合、他の部分も劣化している可能性が高いです。これにより、修理費用が増加するリスクや、さまざまな安全上の問題が考えられます。したがって、7年以上使用している給湯器は、交換を検討することをおすすめします。

給湯器の修理の費用とは?

修理費用に関しては、一般的に以下のような要素から成り立っています。

■修理を行った場合
部品のコスト + 技術料金 + 出張料

■修理をせず、故障診断のみの場合
故障診断料 + 出張料

修理の総額は、問題の種類や、修理を行う部分の数、また選ぶ修理業者によっても異なることがあります。以下に示すのは、大まかな相場感としての価格帯です。

<電気関連部品>

部品費:約2,000円~30,000円
技術料:約3,000円~12,000円
出張料:約2,000円~3,000円
総費用の範囲:約7,000円~45,000円

<安全機能部分>

部品費:約2,000円~20,000円
技術料:約3,000円~15,000円
出張料:約2,000円~3,000円
総費用の範囲:約7,000円~38,000円

<水の流量調整部分>

部品費:約200円~20,000円
技術料:約5,000円~15,000円
出張料:約2,000円~3,000円
総費用の範囲:約9,500円~38,000円

<燃焼関連部品>

部品費:約7,000円~25,000円
技術料:約5,000円~15,000円
出張料:約2,000円~3,000円
総費用の範囲:約14,000円~43,000円

これらの価格は、あくまで目安として考えてください。実際の修理費用は、業者や地域、具体的な故障内容などにより変動することが考えられます。

給湯器の交換にかかる費用

交換費用の内訳は、大まかに次のような要素から成り立っています。

・商品の価格
・基本的な工事料金
・追加的な工事費
詳細は以下の通りです。

<①商品の価格>
これは、給湯器自体やリモコンの費用を指します。

<②基本的な工事料金>
給湯器の交換時に基本となる工事料金です。具体的には、

・機器の撤去と処分
・新しい給湯器の取り付け
・ガスや水の配管接続
・保温材の取り付け
・試運転と調整
などが含まれます。

<③追加的な工事費>
上記の基本工事料金には含まれない追加的な料金です。例えば、

・高い場所への取り付けに必要な足場や搬入費
・壁を貫通する工事
・配管やその他の材料の交換
・電源の位置変更や新規取り付け
・オプションの取り付け
などが考えられます。

まとめ

「カタカタ」といった異音が給湯器からする場合、それが通常の音なのか、それとも何らかの異常を示すものなのかを素人が判断するのは困難であり、また危険を伴います。給湯器は、問題があっても稼働し続けることがよくあり、長時間の異常音はガス漏れや事故の前兆である可能性があります。もしも普段とは異なる音を感じたら、すぐに信頼できる専門家に相談することをおすすめします。

関連記事