すぐに始められる!ガス給湯器の使い方と光熱費節約のポイント
ガス給湯器を効率的に使用することで光熱費を抑える方法を解説します。普段はあまり意識されないガス給湯器の運用に関してですが、工夫次第で意外と節約が可能です。また、給湯器の交換を検討されている方に向けて、家計と環境に配慮したエコタイプの給湯器を紹介します。
目次
1ガス給湯器の光熱費とは
・ガス給湯器の電気使用量?
2浴室とキッチンにおける節約術
・浴室で行う節約方法は?
・キッチンで行う節約方法は?
3おすすめのエコ給湯器
・エコ給湯器 エコジョーズ
4まとめ
1ガス給湯器の光熱費とは
ガス代×電気代×水道代
ガス給湯器は「ガス」「電気」「水」の3つを動力源として使用します。「水」がお湯の基となり、「ガス」が水を加熱するためのエネルギーとなるのは理解しやすいですが、「電気」も水の量を計測するセンサーやガスの量を調整する制御弁などに使用されています。
そのため、ガス給湯器の運用による光熱費はガス代、電気代、水道代の3つとなります。ガス給湯器は水が流れることをスイッチとして動作するため、お湯を使うたびにそれぞれのコストが発生します。(電気温水器の場合、ガスは使用しないため、電気代と水道代のみとなります。)
大まかに言えば、お湯の使用量が給湯器のコストを決定します。したがって、お湯を節約することが給湯器の節約に直結します。この記事では、「どのようにしてお湯の使用量を効率的に減らすか」を主題に節約方法を解説します。
ガス給湯器を使用してお湯を沸かす過程
水道管、ガス管、電源線が接続された給湯器に依存しています。お湯の蛇口を開けると、給湯器内部で水の流れが開始され、これがスイッチの役割を果たします。給湯器内の水量センサーがこの水の流れを検知し、お湯の加熱が始まります。給湯器内部に流れた水は、ガスを使用する熱交換器という装置によって加熱され、その後給湯管や追い焚き管を通じて蛇口や浴槽にお湯として供給されます。
ガス給湯器は、その名前に反して、電気も使用します
これは、給湯器内部に設置されている多くのセンサーや機構、そして制御弁が電力に依存しているためです。例えば、水量センサー、ファンモーター、イグナイター、ガス量制御弁、水量制御弁などがあります。さらに、リモコンのディスプレイなども電気を使用します。そのため、「お湯を沸かす」以外の全ての機能は電力に依存しており、電気を節約することはできません。
待機電力についても注意が必要です
待機電力とは、ガス給湯器が蛇口の操作を待っている時に発生する電力です。これはテレビの消費電力に次いで大きいとされています。節約を考えるなら、スイッチをオフにしておくことが効果的です。ただし、完全に電源を切ることはできませんので、待機電力をゼロにすることは不可能です。
給湯器のコンセントを抜くことで待機電力を最小限にすることは可能ですが、これは故障のリスクや他の問題を引き起こす可能性があるため、推奨できません。特に冬季は、給湯器が凍結してしまい、水道管が破損する恐れがあります。
2浴室とキッチンにおける節約術
お風呂での節約方法としては
浴槽の湯量を見直すことが有効です。一般的には浴槽に8分目までお湯を張りますが、実は5分目程度のお湯でも十分な入浴が可能です。湯量は、入浴する人の体型や好みにより調整が必要ですが、適切な湯量を見つけることで余計なお湯を張ることなく節約することが可能となります。
温度設定を再設定しましょう 設定温度は、家庭ごとの嗜好やルールに基づいて異なりますが、低めの設定は給湯器に負荷をかけることなく、十分な快適さを保つことができます。また、季節に応じて温度設定を調整するのも効果的です。
冬季には暖かいシャワーを好む人が多いですが、夏季にはさっぱりと汗を流すためだけにシャワーを使う場合、設定温度は低めに保つことをお勧めします。
42~43℃よりも40℃程度のお湯の方がリラックス効果が高く、熱めのお湯は覚醒を促す一方、ぬるめのお湯は安眠効果があると言われています。思い切って設定温度を再評価してみると、睡眠の質も向上するかもしれません。
追い焚きの頻度を再検討する
追い焚き機能は非常に便利ですが、その使用頻度を減らすと節約に繋がります。しかし、それはぬるま湯を我慢する必要があるということではありません。お湯が冷めるのを避け、追い焚きが不要となるような方法をいくつか紹介します。
★頻繁に浴槽の蓋を閉める
お湯を張る間、または体を洗っている間など、浴槽に入っていない時は蓋を頻繁に閉めましょう。蓋を閉めないとお湯がすぐに冷めてしまい、それにより追い焚きの頻度も増えてしまいます。市販の保温シートを使うのも効果的な方法です。
★家族の入浴時間を揃える
家族がバラバラの時間に入浴すると、お湯が冷めやすくなり、追い焚きの頻度が必然的に増えます。一見当然のことなのですが、忘れがちになることもあるため、小さなお子さんと一緒に入るなど、できる限り入浴時間を同じにすると良いでしょう。
★たし湯を駆使する
追い焚き機能は非常に便利ですが、それに比べてたし湯を使うと時間は多少かかりますが、ガス費用が少なくて済みます。自分で蛇口を回すこともできますし、機器がそれをサポートする場合はリモコンの「たし湯」ボタンを使うことも可能です。
シャワーの利用時間を見直すことを検討する
お湯を使わずにシャワーだけで済ますという選択肢もあるかもしれません。しかし、シャワーの時間と入浴する人数によっては逆に非効率になってしまうことも考えられます。
★約17分間のシャワーは浴槽一杯分 つまり200リットルのお湯を使うことになります。シャワーを長時間使ったり、お湯を使わずにシャワーを止めずにいたりすると、結果的には節約にならない場合もあります。シャワーだけで済ます場合は、時間を意識し、必要のない時はきちんと止めることが大切です。
★家族がバラバラの時間に入浴する場合、お湯を張る方が逆に節約になるかもしれません?
湯船がある場合、シャワーの使用時間は短くなる傾向があります。そのため、家族が個々に入浴して入浴回数が増える場合、お湯を張った方が各人のシャワー時間が短くなり、結果として使う水量がほとんど変わらない、あるいは逆に節約になる可能性があります。
例えば、湯船を使うことで一人あたりのシャワー時間が5分短縮できた場合、4人家族がそれぞれ別々に入浴するとなると、シャワー時間は20分(浴槽一杯分以上)短縮され、お湯を張る方が逆に節約できることになります。
ただし、この点はお湯の追い焚きコストや個々のシャワー時間の違いなどによるので一概には言えませんが、必ずしもシャワーだけで済ますことが節約につながるわけではありません。
例えば4人家族が上記のすべての節約策を取り入れた場合…年間で約32,000円を節約することができます。
一日につき湯温を2℃下げて湯量を50L減らすと、5,000円の節約になります。また、一日につき一人あたりの使用時間を2分短縮すると、22,000円節約できます。さらに、追い焚きの回数を一日2回から1回に減らすと、5,000円の節約になります。
キッチンでも節約するには?
お風呂と並んで給湯器を使う場面としてキッチンがあります。
主に考えられる節約方法をいくつか紹介します。
キッチンで使う時とお風呂で使う時で温度設定を変える
キッチンでお湯を使う際には、あまり高温に設定する必要はありません。洗い物に使うためにはぬるま湯で十分なので、お風呂での設定温度と同じにしてしまっている場合は、その設定を見直すことをおすすめします。
リモコンの操作を最適化する
給湯器がリモコン付きの場合、浴室リモコンとキッチンリモコンでそれぞれ設定が保存できます。そのため、優先ボタンなどを使うことで簡単に設定を切り替えることができます。常時温度設定を行うよりも手間が省けますので、具体的な操作方法は取扱説明書を参照しましょう。
洗い物の際のお湯の使い方を工夫する(※手洗いの場合のみ)
洗い物をお湯で行うと、汚れが落ちやすくなります。しかしながら、節約の視点から言えば、できるだけお湯の使用を抑えて水洗いを行いたいところです。しかし、これだと汚れが落ちにくく、水の使用量が増えてしまうこともあります。また、冬場は水が冷たくて苦労しますので、少しの工夫が求められます。
★水につけおき洗いを行う
洗剤と水にしっかりつけおきをすることで、お湯を使わずとも汚れが取れやすくなります。急いでいる時やつけおきを忘れがちな場合は難しいですが、使用した食器を直ちにつけおき洗いする習慣をつけることが理想的です。これにより水道料金の節約にもなります。
★すすぎはお湯を使用する
特に冬場、冷たい水をなるべく使いたくないものです。そのため、つけおきは水で行い、すすぎだけをお湯で行うようにすることで、不快感なく節約を図ることができます。
※食洗機を使用している場合は、この点を意識する必要はありません。お湯の設定温度だけを気にすれば良いです。
料理には水を選択する
野菜や卵を茹でたり、煮物を作ったりする際に、時間短縮のために給湯器からお湯を出す人もいるかもしれません。しかし、節約という観点だけでなく、基本的に料理には水を使用することが推奨されます。
★水から沸かす方がコストパフォーマンスが良い
給湯器からお湯を出すとコストがかかるため、火にかける時間が少なくなるとしても、全体のコストから見ると節約にはつながりません。実際には、水から沸かす方が、全体的なコストは抑えられます。
★お湯から沸かす、食材によっては良くない場合もある
食材によっては、お湯から沸かしても良いものと、水から沸かした方が良いものがあります。例えば、葉物や豆類は熱湯でさっと茹でるのが良いとされていますが、火が通りにくい根菜(じゃがいもなど)は水から煮た方が良く、お湯から沸かすと外側だけが柔らかくなり、中心部が固いままになることがあります。これでは節約どころか、食材の風味を失うこともあります。
衛生問題に注意(電気温水器のケース)
電気温水器は貯湯方式(沸騰したお湯を一時的に保存する方法)を使用しているため、塩素濃度が低下しやすく雑菌が増殖する可能性があります。そのため、飲用には適していないケースが多く、多くの電気温水器の取扱説明書には「飲用不可」の記載があることから、衛生面の問題が存在します。ですので、電気温水器を使用している場合は、料理への使用を控えることをおすすめします。
※製造メーカーによっては「煮沸すれば飲用可能」と記載しているものもあります。
設定温度を適切に管理し、洗い物には水を用いるという考え方で行けば、年間で約19,000円ものガス料金を節約することが可能です!
参考:「東京ガス:ガス料金/一般料金」
https://home.tokyo-gas.co.jp/gas/ryokin/ippan/index.html
※ 東京地区等・一般契約料金(A表)・基準単位料金(2019年8月現在)に基づいて計算
※ ガス1m3あたりのカロリー=10000kcal、給湯器の燃焼効率=80%、15℃の水を42℃まで沸かしていたものと仮定。
※ 「全範囲の節約」とは、シャワーの時間削減、追いだきの回数半減、浴槽の湯量見直し、水温設定の見直しの4点を指す。
※ 蛇口の水の流れを1分あたり5Lとして計算。
※ 水温を42℃から37℃に調整したものとして計算。
※ 食器洗いには15分を費やしていたと仮定。
※ すすぎ時間を15分から10分に短縮したものとして計算。
3おすすめのエコ給湯器
給湯器の交換を考えているなら、エコ給湯器がおすすめ!
上記では、既存の給湯器を使用しながら実行できる節約策をご紹介しましたが、長期的に考えると「エコ給湯器」への交換が最も効果的です。給湯器の交換を検討中の方は以下をご覧ください。
エコ給湯器:エコジョーズ
エコジョーズは、従来のガス給湯器よりも効率的な新しいタイプの給湯器です。エコジョーズは特定のメーカーの製品ではなく、様々なメーカーから提供されています。これまで熱を取り出すことができずに排出してしまっていた排熱を利用してお湯を沸かす仕組みを有し、専門的には「潜熱回収型給湯器」とも呼ばれます。「エコ給湯器」と一般的に呼ばれる場合、多くはこのエコジョーズを指しています。
エコジョーズの仕組み
エコジョーズは環境に優しく、家計にも助けになります。導入することでガス料金が抑えられます。ただし、唯一の難点は初期投資が高いことです。そのため、家族の構成やガス使用量により、導入に伴うコストの回収が可能かどうかは異なります。
4まとめ
今回は、いくつかの主要な節約手段を提案させていただきました。いかがだったでしょうか。 給湯器の取り替えは最も効果的な対策となりますが、自宅で直ちに取り組むことができる工夫も多数存在しますので、ぜひ試してみてください。 何か質問や困ったことがありましたら、どうぞ遠慮なくラクヤにご相談ください。